NPO研究サロン

 今回のサロンは、法政大学社会学部准教授の仁平典宏先生による発表でした。

 テーマは「ボランティアと政治をつなぎ直すために―ネオリベラリズム以降の市民社会と敵対性の位置」というもので、市民社会におけるボランティアと国家の福祉政策との相補関係について問題提起をするものでした。

 たとえばネオリベラリズム=新自由主義が進むと、国家による公的領域への関与が減るいっぽうで、「公共の福祉」の担保は民間の責任へと帰されるようになります。このように国家政策の方針次第で、ボランティアの位置づけというものは大きく変化させられてきました。国家とのトレードオフな関係を超えたボランティアのあり方の再考を促す、重要な提起でありました。

  今回の仁平先生の論文は「東日本大震災」の前に書かれたものであり、期せずして「ボランティア」について考え直す機会となりました。

 

以下、参考文献です。

仁平典宏 2011「ボランティアと政治をつなぎ直すために―ネオリベラリズム以降の市民社会と敵対性の位置―」『ボランタリズム研究Vol.1』大阪ボランティア協会