研究テーマ

まつもとかずあきの研究テーマ

日本における市民セクターの形成と社会的位置に関する研究

 

Keyword: 市民活動、社会運動、NPO、継続性

まつもとかずあきの研究概要

 

研究概要

 

 研究の目的は、「現行の社会制度では解決が困難な社会的問題へ対応し得る媒体はどのようなものか」という問いのもと、日本におけるNPO法人や市民活動団体(=市民セクター)に着目し、それらが果たす役割を社会学的観点から考察、検証をすることです。

 

 これまで社会的問題に対応する媒体や組織の研究は、社会運動論や社会問題研究が中心に担ってきました。1990年代後半からはNPO法の成立もあり、学際的にNPO研究がなされており、とくに経営学や政策科学からのアプローチが盛んであります。

 その一方、NPO法成立以前の市民活動の体系的な研究はあまり多くありません。さらに市民活動というものは活動分野が広範なため、それらをめぐる解釈や位置づけは、論者によりさまざまとなっているのが現状です。

 

 研究対象となる時代は、オイルショック以降、阪神淡路大震災までの期間で、1980年代前後の市民活動を中心に設定しています。この期間に生まれた市民活動は、それまでの社会運動と歴史的関連性を持ついっぽうで、運動形態や担い手、組織形態が異なっています。また同時に、後のNPO法人を中心とした市民セクターの成立とも連続性をもっています。社会運動とNPOの関連性を考察するには、この時代の市民活動を研究する必要があるのです。

 

 研究のアプローチは、市民活動団体による活動記録の分析を中心に、歴史的な変化や時代背景を含めた動態的な把握をおこないたいと考えています。そのことにより、これまでの運動論と組織論のあいだにあるNPO研究の「空白」を埋めることにつながればと思っています。

 
 NPOや市民活動団体を中心とした市民セクターは、社会改良を求める運動的な要素と、制度に基づいた社会システムとしての両要素をもつものです。市民セクターを的確に分析するには、その生成過程と構成要素を緻密に拾い上げる必要があります。その上で、市民セクターの社会的意義と課題を提示したいと考えています。